転勤が多く訓練も厳しい
自衛隊看護師は業務の性質上、転勤が多い傾向にあります。また、いざという時のために日頃から厳しい訓練を行っています。

転勤の多さ
自衛隊看護師は一般的な看護師よりも転勤が多いです。自衛隊病院や自衛隊基地は全国各地にあり、その全てが勤務地の対象になるからです。自分の所属する部隊が何らかの理由で異動になった際も、転勤することになります。災害地への派遣や国際平和維持活動などで現地に赴くこともあるでしょう。海外が勤務地になることもあり、これは一般の病院とは大きく異なる部分です。同じ土地で長く働きたい人には、自衛隊看護師は向きません。逆にいえば、様々な現場で看護師としてのスキルを発揮したいという人には、自衛隊看護師が向いています。
厳しい訓練
特に、自衛官看護師は訓練があることを忘れてはいけません。看護業務がメインなので、他の自衛隊員よりも訓練の内容が優しいと思っている人もいるでしょう。しかし、実際は自衛官看護師も厳しい訓練を受けています。例えば、災害地では道路が封鎖されて自動車やバイクでの移動が困難なケースも少なくありません。その際は、大きな荷物を背負って徒歩で移動する必要があります。そういった場面を想定して行われるのが、荷物を背負いながら悪路を歩く徒歩行進訓練です。また、外部の脅威から身を守るための射撃訓練も行われます。こうした訓練を乗り越えなければ、自衛官看護師として活躍することはできません。その他にも、緊急派遣に備えての野外病院での訓練など、有事の際に的確に行動できるように日頃から様々な訓練を行います。
このことからも分かる通り、自衛官看護師になるのは簡単なことではありません。そもそもの競争倍率が高い点も理解しておきましょう。自衛官看護師として就業してから、厳しい訓練についていけず諦めてしまう人もいます。そのため、自衛官看護師として働くためには、強い精神力や根気が求められます。
健康でいることが大切
自衛隊看護師には体力が求められます。表現を変えれば、「体力がなければ自衛隊看護師として働くことはできない」ということです。自衛隊看護師になるためには、事前に行われる身体検査を通過する必要があります。身長や体重、視力、聴力などの基本的な数値だけでなく、「開腹手術の既往歴」「刺青の有無」「自殺計画の既往歴」「躁うつ病などの既往歴」についても基準が設けられています。そのため、これから自衛隊看護師を目指す人は健康に気をつけてください。国民の健康を守るためには、まずは自分自身が健康でなければならないのです。