災害地や海外に派遣されることも
自衛隊看護師は有事の際に災害地へ派遣されます。また、国際平和維持活動に参加するため、海外へ派遣されることもあります。

社会的意義のある仕事
自衛隊看護師が訓練を実施するのは、国の防衛や災害地での任務、国際平和維持活動を行うためです。重要な任務は防衛省からの指示で行われ、派遣される隊員は指定教育を受けます。派遣される前にある程度の準備はできるものの、指定教育を受けるメンバーから外れていた場合でも、常に派遣される可能性があることを考慮しなければなりません。災害はいつ起きるか予測ができないので、いざ派遣されることになった場合に必要な持ち物は常に備えておきます。
災害地に派遣された際は、現地の人と様々なやり取りが行われます。いつ何が起こるか分からない状況だからこそ、これまで積み重ねてきた厳しい訓練が役に立つでしょう。実際に、現地の人から感謝の言葉をもらえた際には、自衛隊看護師だからこそのやりがいを感じられるはずです。また、ある程度の経験を積んだ自衛隊看護師は、これまでに得た知識や教訓を部下に伝えていかなければなりません。そのため、災害教育の推進チームの一員として活動を行う機会もあります。日頃から準備をしておき、いざという時に正確な判断と行動ができるようにしなければなりません。国民の安全のために務めを果たすという強い責任感が求められます。転勤の多さや訓練の厳しさなど、様々なハードルがある一方で、社会的意義のある仕事を任せられるやりがいや、特別職国家公務員として待遇面での魅力があることも確かです。国内外で困っている人や傷ついている人の役に立てるという自負を持って働けるのは、自衛隊看護師ならではの魅力です。
近年の事例
自衛隊看護師は、国民に大きな影響を与える有事の際に、援助を目的として派遣されます。災害地においては、派遣された自衛隊員や被災者への看護、公衆衛生活動などを主に行います。災害地に派遣された例でいうと、近年では「2009年の成田国際空港検疫支援(新型インフルエンザ対応)」「2011年の東日本大震災災害派遣」「2016年の熊本地震災害派遣」「2019年の台風19号に伴う民間病院からの患者受け入れ」「2020年の新型コロナウイルス感染症対策災害派遣」などが挙げられます。
また、災害地への派遣だけでなく、国際平和維持活動への参加も行います。近年では、「2002年の東ティモールのPKO活動」「2006年の第9・10次イラク復興支援群」「2006年のイラク・クウェート患者後走」「2013年のパシフィック・パートナーシップ2013」「2019年のパシフィック・パートナーシップ2019」などが挙げられます。派遣先での活動内容は、現地の人に対する看護支援や看護指導、派遣された自衛隊員の看護・健康管理、公衆衛生活動などです。